華原朋美

Love Again
01/11/21
ワーナーミュージック・ジャパン


華原朋美、久々のオリジナルアルバム。前回のアルバムOne Fine Dayの後、電波少年の企画で突然にアメリカへ拉致され(笑)、「全米デビュー」のために奮闘し、見事(?)その目標を果たして凱旋帰国。全米デビュー曲(とはいっても、コンピアルバムの中の一曲で、ということだったし、結局そのアルバムも発売中止・・・だか延期だか、という後味の悪いオチ(笑)がついてしまったらしいですが)のシングルNever Say Never、そしてやはりアメリカのプロデューサーが曲提供したシングルPRECIOUSと「あなたのかけら」を含む、まる二年ぶり、五枚目のオリジナルアルバム。
小室哲哉の手を離れてから三年を経て、ようやく自分に自信を取り戻した朋ちゃんのイキイキとした歌声のきける一枚です。

・・・ちなみに、私は、発売から半年たった今年の5月に、中古屋で300円で(!)購入。安かったのは嬉しかったのですが・・・なんかあまりの値下がりようにビックリしました(苦笑)。ていうか・・・マキシと間違えたんじゃないのかな・・・。

1.We wanna reach back
カワムラ・ヒロ/ハラ・カズヒロ
アルバムの出だしはいきなりR&Bっぽい曲。朋ちゃんちょっと無理しすぎな感じのコブシで、ブルース調の節回しが少々ウザいです(苦笑)。朋ちゃんには、もっと素直に歌ってほしい。ヘンに癖をつけなくても十分魅力的な声なんだからー、と思うのです。
サビの、「限りないデザイアー」ってなんやねん、「デザイアー」って!と歌詞カードを見て思わずつッこみを入れたくなったんですけど(笑)。「夜が好きだった 空を飛んでいた」という歌詞は妙に気に入ってます。

2.Free mind
華原朋美&ヒグチ・ユウ/ハラ・カズヒロ
この曲を最初にきいたときの率直な感想。
「・・・・なんか、T2yaさんとか木村貴志さんとかそこらへんの作家が書いて、avexの新人アイドルグループががダンスしながら歌ってそうな感じ・・・」
・・・・エェ、お察しのとおり、ほめ言葉じゃございません(笑)。ハッキリ言って、すごく安っぽいメロディにきこえたんです。
でもまぁ、安っぽいっていうのは、ひっくり返せば「分かりやすい」ということでもあるわけで、「あぁ、アイドル歌謡だなー」と最初から思いながらきけば、ききやすい曲ではあるわけです。
小室時代には(意外にも)、こういう、イキイキと声を張り上げる明るいダンスポップってあんまりなかったような気がするので、こういう歌い方をする朋ちゃんって新鮮でもありましたし。One Fine Dayのdon't gonna escapeと似た感触の曲でしょうか。

3.Waiting For Your Smile
ヤマモト・ナルミ/ハラ・カズヒロ
ちょっと唖然としたんですが・・・このタイトルに(苦笑)。小室プロデュース時代最後のアルバムnice cubesに、おんなじタイトルの曲があるんですよね・・・。私はその曲がすごーく好きだったので、ちょっとこの曲のタイトル見てビックリしました。なんでまるまるおんなじタイトルつけるかな・・・(苦笑)。
しかも、小室の書いたWaiting〜が、私的にかなりの名曲だったので、それと同タイトルのこの曲が少々安っぽい感じのするポップソングなのがかなり残念です。メロディラインも歌詞も、なんていうか・・・いかにも「よくあるポップス」って感じで(苦笑)。Free mindと同じく、「avexの新人アイドルグループが(以下略)」という雰囲気にきこえるのです。アタマからいきなり「君だけを見つめてる」とか直球なことを言われると、かなり、萎えます(本音)。「この前は ありがとう」とか、「大人になれば変わるもの〜」とか、あまりに言葉遣いがありきたりすぎて、つまらない。
ただ、サビの、「君が何も信じないなら 誰も君を信じないよ」というフレーズは、結構お気に入りです。直球は直球なりに、力のあるメッセージだと思うのです。言ってることはちょっとあゆっぽい気もしますが(笑)。

しかしそれにしても、このアルバムのYour Faceっていう曲にも、「waiting for your change of heart」っていう歌詞があるんですよ。それぞれ違う作詞家さんが書いた歌詞がたまたまダブってしまったのかな、と思うのですが・・・なんか芸がない感じに思えちゃいます(苦笑)。工夫してほしかったなーとか思いました。

4.regrets
ヒグチ・ユウ/ハラ・カズヒロ

5.Love Destiny
華原朋美&ヒグチ・ユウ/ハラ・カズヒロ

6.Never Say Never 〜japanese version〜
英語詞・Andy Marvel,Billy Mann&Jennifer Paige 日本語詞・中山加奈子/
Andy Marvel,Billy Mann&Jennifer Paige
01/04/18シングル(ミックス同じ)

はじめてきいたのは、朋ちゃんが「おしゃれカンケイ」に出たとき、番組のラストでほんのワンフレーズかかっていたときでした。サビの部分、ほんの数秒だけしか流れなかったんですが、もう、その数秒でハマりました。すごく気持ちのいいメロディにきこえて・・・歌番組録画して何回もきいて、シングル中古で買ってきて(新品で買えよ)、一時期かなりヘビーローテーションしました。
私的には、オリジナルの英語歌詞バージョンの方が好きなんですが、元プリプリの中山加奈子さんの書いた日本語歌詞もすごく素敵。おしつけがましくない、さわやかな前向きソング(?)で。他人に言うガンバレ、じゃなくて、自分に言うガンバレ、だからでしょうかね、うっとうしさがなくて、いいです(笑)。
曲調もすごくさわやか。いい曲を書いてもらったねー、という感じです。シンプルなオケもいいし、厚いコーラスワークもお気に入り。Aメロがすごく低いので、朋ちゃんの声が少々ふらつくのが玉にキズですが(苦笑)、それもまた愛嬌。というか、一生懸命歌ってる!という感じがして、かえって好感が持てます。

朋ちゃんが歌いながら砂漠の中を歩いているPVも、すごく好き。「すべての花は咲くよ 誰かのために」というフレーズにあわせて朋ちゃんがふわーっと微笑むシーンがあって、そこが印象的でした。
・・・・PVが砂漠、というと、アムちゃんのRESOCET the POWER OF LOVEを思い出すのですが、こちらもさわやかにおしつけがましくない前向きソングでした。何にもない砂漠を楽しそうに歩いていく女の子、という絵は、その子の強さをさりげなく表現できる気がして、私的に好きなシチュエーションです。
反対に、砂漠やら廃墟やらを、これでもかというほど苦しそうな様子で歩くのが、あゆ(笑)。だから、彼女のPVってすごーく凝っていて見ごたえがあるけれど、「私は強いんです!強く見えるでしょう!?(でもほんとは弱いのよ、苦しそうな顔してるでしょう?)」というメッセージがヒシヒシと伝わってきすぎて、少々食傷気味になるんですよ(笑)。

でも、できれば、ボーナストラック扱いでいいから、英語バージョンも収録してほしかったです。シングル三曲分、全部。ダメなんかなぁ・・・やっぱり、元々の詩が英語で書かれていたのだから、そっちの歌詞の方がしっくりきていいと思うんですが。韻を踏んでいたりして、ききごこちのいい詩なんですがねぇ・・・残念。

7.Love Again
ヤマモト・ナルミ/サイトウ・ジン
アルバムタイトル曲。これまた、なんつーか・・・・つッこんでいいのやら悪いのやら、という感じのタイトルですよね(苦笑)。私、このアルバムタイトル知ったときは、かなりビックリしましたよ。
マァそれはさておき。白状します、この曲で泣きかけました(照)。マジでマジで。サビの「Love Again〜」というフレーズに、ぐッときたんですよ〜(涙)。やさしいやさしい、囁きかけるような歌い方に、マジでキました。
「Love Again あなたの夢を真剣に話してくれた
そんなことが嬉しくて また一日が過ぎる」
この歌詞がすごく好きなんです。別に、強いメッセージがこもってるとか、はッとさせられるようなところを突いてるとか、そういうんじゃないんですが、なんてことないさりげない、一人の女性の、ささやかな呟きのような言葉に、すごく胸を打たれました。すごく、穏やかな気持ちになれる詩です。

「あなたの言葉 どんな偉い人よりも
いつも I Trust You 信じられる」
というくだりも、なかなか面白い歌詞だと思うのです。この、「どんな偉い人よりも信じられる」という、子供っぽい言葉。これが好きなのです。
私は、彼女の魅力の一つは「はくち美」的な素直さだと思っているのです(朋ちゃんファンで気を悪くされた方がいたら、ごめんなさい。あまりいい言い方ではないとは自分でも思うんですが、私的にはこの表現がいちばんしっくりくるんです。決して彼女をバカにしてるとか、頭が悪いと思ってるとか、そういう意味ではないんです。そこんとこは誤解されないといいのですが・・・)。
素直すぎる、純真すぎる、少女がそのまま大きくなってしまったような、外見とアンバランスなほどに幼い笑顔。その笑顔で、全てを愛することのできる、自分が全てに愛されることができると信じている。全てをゆるすことができ、全てがゆるされると信じている。天然、というよりは、はくち美、と言った方が似合う気がする。そんなキャラが、彼女の魅力の一つだと思っているのです。
この「どんな偉い人よりも信じられる」という、小さな子供のような言葉遣いは、彼女のそのキャラにすごく似合っているように思えたのです。この一言で、「私」がどれだけ純真な心で「あなた」を思っているのかを表現できている気がします。上手い詩だな、と思いました。waiting for your smaleと同じ作詞家さんが書いていて、同じように直球ストレートな歌詞なんですが、こちらはストレートさがかえっていい効果を出してると思いました。

8.Goin’ to the music
ヒグチ・ユウ/ハラ・カズヒロ
歌詞といい曲調といい、セカンドアルバムのころのhitomiちゃんを思い出させるようなファンキーな明るさで、朋ちゃんの新たな魅力発見、という感じです。
詩は、やっぱり少々食い足りないんですが・・・(苦笑)。どの作詞家さんも、朋ちゃんに「普通の女の子アイドル」チックな歌を歌わせたいのかなぁ・・・ヒネリのなさすぎる歌詞が多くて、ききながら苦笑いしてしまう歌が多いです。

9.Driving to freedom
サクマ・ウサギ/サイトウ・ジン

10.PRECIOUS 〜album version〜
華原朋美&ヒグチ・ユウ/Vincent Degiorgio,Berny Cosgrove&Kevin Clark
01/08/08シングル発売 / アルバムニューミックス

最初に歌番組できいたときは、「・・・・なんかイマイチ?」とか思っていたんですが、CDできいてみたら、イキナリ気に入りました(笑)。はじけッぷりが気持ちい、夏らしいダンスチューン。発売前にライブで解禁されたそうですが、これはライブできいたらさぞかし気持ちがいいだろうな、と思いました。
サビのコーラスで始まるアルバムバージョンの方が、シングルよりイイ感じです。このアルバムは、どの曲もコーラスワークがかなりお気に入りなんですが。
朋ちゃんとヒグチ・ユウという作詞家さんとの共作の詩が、思いッきり女の子らしくて愛らしいです。どうせかわいらしい詩を書くなら、このくらい極めてほしいもんです(笑)。なんかもう、きいてる私が「あなたを抱きしめ」たくなっちゃうくらいにカワイイんですよ、この歌詞。

11.Your Face
カワムラ・ヒロ/ハラ・カズヒロ
ライブのラストにききたい、という雰囲気の曲だと思いました。Bメロの「Waiting for your change of heart」というフレーズ、厚いコーラスがR&Bっぽくって好きなんです。

12.あなたのかけら 〜album version〜
高柳恋/Vincent Degiorgio&Gary Carolla
01/10/24シングル発売 NHK時代ドラマ「五弁の椿」タイアップ / アルバムニューミックス

この曲をラストに持ってくるのは、ちょっと・・・と思いました。Your Faceでアルバムが終わって、この曲がボーナストラック、っていう感じがしちゃったんですが・・・私だけですかね?
すごーくいいバラードだとは思うんですが・・・・このアルバムのカラーの中では、少々暗すぎるかな、という印象を持ってしまいます。音も歌詞も、ちょっと違和感を感じました。

しかしそれにしてもいい曲です。私的には、LOVE BRACE級の名バラードだと思ってます。朋ちゃんもすごく丁寧に歌ってる感じがする。少々大仰なオケもこの際ヨシ!ですし、高柳恋さんという作詞家さんの書いた詩が、すごく気に入ってるんです。「ちぎったカーテン その向こうに三日月」とか、「コーヒーをこぼしたシャツが乾くまで 抱き合った」とか、好きなフレーズがいくつもあるのです。
でも・・・どうも、「あなたのかけらをください 形のある物を」と言われると、反射的に「慰謝料かい!?」とか思ってしまう私(苦笑)・・・・スマヌ朋ちゃん。マジでスマヌ。



・・・・全体的に「アイドル歌謡」っぽい雰囲気の曲は多いんですが、それでも、小室時代のアルバム曲に比べても心配していたほどのレベルの格差はありませんでした・・・って言うと、今回の作家陣に失礼ですが(汗)・・・でも、やっぱり、そこんとこはいちばんの懸念材料だったので。それどころか、特にバラード曲がどれもよくって、私的にはかなりお気に入ったアルバムです。
正直、One Fine Dayがかなり「・・・・」な出来のアルバムだったので、今回はかなり心配していたのですが、やはりきッちりと充電期間を取ったのがよかったのか、やはりアメリカ修行で鍛えられたのか、朋ちゃんの声もかなりキレイできき心地がいいです。以前のような高音を前面に押し出した曲は少ないので、もっと朋ちゃんのあの超音波ハイトーンボイス(save your dreamみたいな)がききたい〜という不満はあるのですが、中低音メインの歌でも十分にきけるようになったのは、大きな成長だと思われます。

このアルバムをきいてみて、あぁ、私は華原朋美の曲が好きだったのではなく、華原朋美という歌手の歌い方や、声が、好きだったんだな、と改めて思いました(そのわりにアルバム300円で買ったじゃんか、というつッこみはおいといて)。華原朋美という歌手が好きなんだな、ということを再確認できたアルバムでした。
一度背負ってしまった過去は簡単には払拭できないものなのでしょうが、それにしても、朋ちゃんがこれから先、どんな戦略で芸能界を渡っていくのかに関して、かなり心配なものはあります(「あきらめましょう」ってなんだよ・・・「あきらめましょう」って・・・)。でも、それも含めて、これから先もずっと見守っていたい、応援していきたいと思わせる魅力のある子だな、と、改めてそう思いました。
今年の夏には二度目のツアーがあるようです。是非一度行ってみたい。是非とも、Love Againをナマできいてみたいと思っています。

少女のように純粋なハートと、転んでもただでは起きないしたたかな根性を併せ持って、これからもその美声と笑顔で、厳しい業界を立派に生き延びていってくれることを願っています。