TMNETWORK

Major Turn Round
00/12/25発売 Rojam Entertainment Limited


作詞・小室みつこ
作曲・☆・・小室哲哉/ ★・・木根尚登
アレンジ・小室哲哉
ミックス・Eddie DeLLena

caution!
 この文章は、アルバム発売直後に書いたものをリライトしたものです。
 よって、話題がかなり古いです(笑)。ネット配信とかネット販売とか、もうあんまりやってないこと・・・ヘタしたらコムがもうあきてそうなこと(笑)について、いちいちしつこくつっこんでます。
 現在の話とは時差がありますので、そこのところ、よろしくです。「こんなこと今さら真剣に語ってら」とかハナで笑わないでおいてくださいね(笑)。

 TMNETWORK9年ぶり、通算9枚目、復活後初のオリジナルフルアルバム。発売元はRojam。
 Rojamによるネット販売、TSUTAYA、新星堂のそれぞれ大店舗でのみの発売で、それぞれに初会特典つき(順に、三人それぞれの顔のピクチャーレーベル(三種類)、三人それぞれの顔写真の印刷されたペラいプラスティックのシート三枚(説明に困る)、青地に赤でタイトルロゴの入ったピクチャーレーベルと、ちょっと厚めのCDケースに入ったブックレットサイズのカード4枚(三人それぞれのソロショット三枚、プラス三人のレコーディング雑談風景一枚)。

 はっきり言って、この購入システムは困った。・・・みなさん困りましたよね?ネットも使えない(当時)、ツタヤも新星堂も家から一時間以上かかる僻地に住み、しかも受験直前で忙しい(笑)という境遇の人間(というかつまり私)は、いったいどうすればいいっていうんでしょ。
 電脳新世紀を前に小室哲哉が送る新しい試み・ネット配信、ネット販売。・・・たしかに、今までにだれもやったことのないことを俺たちがまっさきにやってやろう、という考えはわかるし、発想もたいへん彼らしい、と思う。たしかにソニーではできなかったことだし、地位があってなおかつネットのノウハウをわかっている小室だから実現できたことだというのはわかる。それはもちろん、わかっているつもり。
 でも・・・たとえば、私は、新曲の無料ダウンロードという試みはすごく新しいし、いいと思う。でもそれは、無料で曲を提供することによってプロモーションをし、その曲をしっかりとパッケージングして売り出すときにより多くのひとが買ってくれるようにするため、でしょ?そのパッケージングしたものをまたネット販売、っていうのは、その意図に沿っていない行動だと思うんですけどね・・・・しかも、ネット配信するということ自体をプロモーションしなければ、いくら無料でもいくら新しくても、普通のひとたちはネット配信までたどりつけない。すると結局もともとTMファンで小室の動きに注目していたひとたち・・つまり内輪だけしか知らないままになってしまう。
 どんなに斬新な試みも、すごく閉鎖的なものに終わってしまう。固定ファンにしか売れない、というジレンマから一度TMを終了したのに、今、自分たちからファン層をせばめようとしているように見えてしまう。

 「売れなくたってかまわない」、というのと「売る気がない」のでは、姿勢がちがうよ、と思う。最近のglobeもそうだし、KDもそう。ここ何年かの小室プロデュースの新人アーティストに関しても言えることだけど・・・「プロモーションしなかったから、売れなくてもしょうがないね」って、私たちもついよく言ってしまうけれど、それは最終的には「売れなかったのはプロモーションしなかったせい」という、「山月記」的な(笑)ロジックに落ちいってしまう。売れなかったことの免罪符みたいになってしまう気がする。いいもん作ったって自負があるなら、しっかり売りこめよ!それがあなたのやり方でしょ!?と思うんだけどなぁ・・・。
 ・・・とまぁ、ほんのちょッと(嘘)文句もないわけでもないけれど、要は、こんなにいいアルバム作ったのに、たくさんのひとにきいてもらえないのがくやしくてたまらない、ってことです。もっと、みんなにきいてほしい。もっともっとたっくさんの人たちを、驚かせてほしいのにね。
 と、ここまでこだわるのは、やっぱり、あまりにこのアルバムがよかったから。プログレってなんだ!?ギターばりばりの生音サウンドだったら私は嫌だよ!?とか思って心配していたんですが・・・イヤハヤ、見事に裏切られました。私、こんなに生音のアルバムをききこんだのって、はじめてかもしれない(笑)。
 2000年の後半くらいから、globeのDON'T LOOK BACKとかで生音ギターに慣れてきていたせいもあって、もともと打ち込みダンスサウンド至上主義(笑)の私にも、気持ちよくきけました。


WORDPROOF ☆
SE
 
謎(笑)。なんだかすごく意味深げなタイトルのわりに、謎ですわ(笑)


IGNITION,SEQUENCE,START
 ☆
シングル(ミックス Eddie Dellena) 9/26先行ダウンロード 10/25シングル発売 / album version
 はじめてダウンロードしてきいたこのシングルミックスが、どうしても好きになれなくて・・・あぁ、それにしても懐かしい、予備校の友人にダウンロードしてもらってきて、駿台御茶ノ水校8号館(笑)の休憩スペースで、授業の合間にどきどきしながらきいたんだけど・・・そのときは、はっきり言って、困惑した。小室が何をやりたいのか、さっぱり分からなくなってしまって、「えーっ、なに、これ・・?」というのが率直な感想だった。そのせいで、しばらくの間、すごく不安になっていた。
 で・・・・アルバムバージョンをラジオできいて、驚いた驚いた(笑)。死ぬほどカッチョよくなってたんですもん(笑)!うっそ、これマジで私がキライだったあのイグ!?とか思ってしまったくらい、かっこよかった。イントロからまるまる、6分間退屈しない。はじめはわけ分かんないとか思っていた詩も、きいているうちに気にならなくなったし。
 どこが変わったのかな・・・シングルは、あんまりにもゴツゴツしてたのかもしれない。まだ生音ギターのサウンドをききなれていない頃だったから、余計に拒否反応を起こしたのかも。
 ビークラでこの曲のアルバムバージョンがかかってはじめて、今回のコンサに行けない自分がくやしくてたまらなくなった。片道二時間以上かかる初日大宮か・・・それともセンター一日目終わってから千秋楽のフォーラムか・・・って、真剣に悩んだもの!結局行かなかったけれど、一日ずれててセンター二日目がファイナルだったら、私、きっとセンター終わった後、行ってたよ(笑)!(そして結局センター使わなかった私大に行ってるというオチ 笑)
 とにかく、同じミキサーが手がけても、こんなに印象が違っちゃうものか、って、驚いた一曲。



MAJOR TURN ROUND ☆
first impression
11/27先行ダウンロード(テンポ少し落として、ミックスは多分同じ)
 これも、はじめはどうしても好きになれなかった。ダウンロードした曲を焼いたCDを、ウツ木根ラジオ公開放送(@スペイン坂)を見に行ったときに受け取ったんだけど・・・ファーストインプレッションが(笑)、分かんない、だった。
 とくに、「in a cage in a cage I’m in a cage」のラップの、歪んだ感じというかひしゃげた感じというか・・・それがまっったく受けつけなくて・・・「ウツにこんな汚い歌い方させないでよ!」とかって、小室に対して憤慨していた(ウツファンのよう 笑)。スタオバはわりと好きだったけど、一発目のイグは大外れ(当時の私的に)だったし、今回の目玉の大曲がこれじゃどうしよう・・・と、本当に不安になった。
 ・・・で、しばらくききたくなくてほっぽらかしにしていたんだけど・・・二週間くらいたってから、ちょっと、「たまにはこれでもきいてみるかぁ」とか思って(すごい失礼なやつ)、試しにかけてみたら・・・・何故だか分からないけど目からウロコ(笑)。死ぬほどカッチョよっかた(笑)!!マジでマジでマジで。
 アルバム発売まで、こればっかききまくってしまったほどに気に入ってしまって・・・あれ、私、なんでこの曲あんなに毛嫌いしてたんだろ?とか我に返って思ったりして(笑)。
 とにかく、13分くらいある曲なのに、退屈しない。一曲のなかで緩急があったりガラリと雰囲気がかわったりする、小室お得意の組曲風の構成で、ドラマティックで、凄い!あんなに嫌っていたラップも、いつのまにか、「ウツ、こんな歌い方しないで!」から、「こんな歌い方もできるなんてウツステキ!」にかわっていたという・・・(笑)。
 アルバムバージョンをきいたら、ほんのちょっとテンポが上げてあって、さらにタイトになっていて、カッコよさ二倍増し。
 いろいろなアップダウンを経て、最終的な感想としては、「文句なし」(笑)。

second impression
インスト

third impression
 とても小室らしいメロディ。セルコンとか、そこらへんを思い出させる感じのキャッチーさで、キックも入っててノリやすい。私はこれで着メロを作ったくらい、好きです(笑)

 この組曲の詩は、firstが現在、secondが過去で、thirdが未来を表している、ってどこかで小室が言っていたけれど、結局主人公は、「もし戻れたら、やりなおすのに・・・」っていうことをthirdの大ラスで切々と歌ってる。たしかに小室がラジオで言っていたように「ハッピーエンドじゃない」。というより、はっきり言って、すごく、後ろ向き。turn roundはturn aroundとちがって「前向きに振り返る」のだと、小室はいろんなところで強調して言っていたけれど、結局、ネガティブな思考に収まってしまったような気がして、そこだけちょっとくやしいかなぁ。
 「もし戻れたら、やりなおすのに・・・だけど戻れないんだ。だから前を向いて生きていくんだ」という風につなげたかったのかな?そう続くfourth impressionが、実はあったんだったりして(笑)?


PALE SHELTER
 ★
 すっごぉく好き!みつ子さんの詩がすごくメッセージ性があって、木根のウーアーコーラスとギターメインのサウンドと相まって、すごくフォークっぽい名曲。フォークっぽいんだけれど、でも詩はすごくSFの匂いがして、そのミスマッチが面白いと思った。
 MTR組曲もいいけど、一曲通してきくと体力消耗するので(笑)、そのあとにほっと一息つく感じかな。私的木根バラランキングのかなり上位にランクインしてます。


WE ARE STARTING OVER ★
シングル(ミックス WAKO) 10/25先行ダウンロード 11/27シングル発売 / album version
原曲・・木根尚登ソロ曲(木根尚登talk&live vol5のパンフレット付録CDに、ピアノ一本のインストバージョンで収録)

 地味だけど、暖かい、木根さんらしい曲。あんまりシングルとのちがいは目立たないかなぁ。
 この曲の詩も、特に「君は何度泣いただろう 怒っていたかな」のくだりなんて、ウツの甘い歌い方にマッチしていてすごくやさしくて素敵なんだけど・・・どうも、ねぇ・・・後ろ向きなイメージが拭えないのは、私だけかしら。
 だって、この主人公、どう考えても凱旋帰郷ではないでしょ。・・・いや、前向きな気持ちで故郷に帰ってきた、っていう雰囲気がどうも感じられなくて・・・どうにもこうにも、「尾羽打ち枯らした」(そこまで極端ではないけれど)っていうムードがそこはかとなく。私が邪推してるだけかなぁ・・・。
 このアルバムの詩は全体的に、TMにしては後ろ向きでネガティブなものが多いなぁ。globeの詩に近い感じかもしれない。ウツの声質とか歌い方からすると、もうちょっとポジティブな方が、私としては好みなんだけどな・・・。

MESSAGE ☆
シングル(ミックス 小室哲哉) 7/28ライブLog-on to the 21st centuryにて発売 / album version


CUBE
 ★

 
泣かせる。エレプロを最初にきいたときに似た感じの印象・・・ウツの突然の高音に、ぐぅ〜っとこみ上げるものがあって・・・ちょっと涙ぐんでしまった。
 詩がすっごく好き。「壊れた空に 叫ぶ listen to me ….are you there? 届くはずない 声で come back to me ….so are you there?」というサビのくだり、ウツのかすれかけたギリギリの高さの声が、必死で手をのばして相手に叫んでいる様を想像させて、泣ける(涙)。
 Aメロとサビしかない、しかもその二つもかなり似たフレーズのリフレインだけ、というすごくシンプルな歌だけど、そのシンプルさがウツの声を一層際だたせていて、すごく印象的な曲になってる。小室のアレンジもすごくシンプルでセンスよくて、いいんだけど・・・ラストのラスト、「I don’t care what’s goin’on out of my tinyᬢ cube」というささやきが、どう解釈していいのか・・・ちょっと、迷う。「自分たちのいるちいさな世界、自分と相手のふたりだけのための狭い世界、それだけで精一杯」ってこと?でも「empty」だし?解釈おかしい?おかしい気がする。
 でもとにかく、この歌詞の載っているブックレットのページの写真が、見事にこの曲の世界観を表していると思って感心してしまった。
 部屋の中で一人立っている木根の後ろ、窓いっぱいに迫った高層ビル。空の見えない窓。窓は四角。四角はcubeを作る。部屋の中もcube。だけど窓の外もcube。そこは閉塞的な空間。どこも閉ざされた場所。どこへ行っても。どこを見上げても。どれだけ叫んでも。どれだけ求めても。何にも届かない。君に届かない。
 そんな。そんな感じ。ちょっとポエマー入ってみました(笑)。お恥ずかしい(笑)。


 全体的に、まとまっていて、すごく「余裕」の漂うアルバムだと思いました。
「余裕」は「落ち着き」と言ってもいいし、「大人っぽさ」「貫禄」と言いかえてもいい。
 いい意味で大人っぽい。採算やヒット性を度外視できる環境にある、経験と実績のしっかりとある大人のミュージシャンが、ゆっくりとゆっくりと作りこんで、心ゆくまで精を凝らして作り上げて、満を持して世に送り出した自信作。さぁどうだ。・・・そういう感じ。
このアルバムをリアルタイムできけて、とても幸せだと思った。私がTMのファンになったのは99年からなんだけど、このアルバムに間に合ってよかったなぁ、と思った。
このアルバム、とても好きです。