hitomi

deja−vu

avex trax 1997/11/12発売


 hitomiちゃん3枚目、小室プロデュースでは最後となったアルバム。
 このあたりから段々とhitomiちゃんは小室先生のプロデュースの枠に収まりきれないような個性を見せ始め(笑)、結局このアルバムを出した後はセルフプロデュースでの活動になりました。
 セカンドアルバムまでのポップな感じ、「カワイイくてカッコイイくてツヨイのよ!」的イメージを一新するようなダークで気だるげな雰囲気ただようアルバムで、当時としてはかなり衝撃的なイメチェンだったのではないでしょうか。とくに裏ジャケなんて、ちょっと気味わるいくらいのダークオーラを放っていて、かなりインパクトあります(笑)。アイドルシンガーだと思って甘く見ンなよ、開き直ったらコワイぜ、という感じ(笑)。
 ボーカルにもどんどんクセが出てきて、“hitomi節”とでもいうような投げ遣りで開き直った(?)独特の歌い方に。コレ、私はかなり好きです。ところどころ「やりすぎっ!」と思うような箇所もありますが(笑)、個性的で気に入っています。
 ただ、音に関しては、かなり私の好みからは外れた方向性です(笑)。ギターメインの、どっちかっていうとロックっぽい印象の音で、これがhitomiちゃんの趣味なんだったら、そりゃ小室プロデュースの状態は居づらかっただろうな、と思います(笑)。実際、独立後のhitomiちゃんの曲は、シンセよりもギターがメインにきこえるようなバンド調の曲が多い気がしますし。

1.mistake
作曲、アレンジ:小室哲哉
 のっけから“hitomi節”全開の歌い方で、セカンドアルバムまでのアイドルっぽいイメージ・・・良くも悪くも「毒のないポップなシンガー」のhitomiを予想していた人は、驚いたんじゃないかと思います。私ははじめてまともにきいたhitomiがこのアルバムだったので、かえって、さかのぼってきいたファースト、セカンドアルバムのかわいらしさに驚きましたけど(笑)。
 間奏部分での「uh〜 wow wow wow〜」っていうとこは、ちょっとやりすぎかな、とも思いますが(笑)。


2.BUSY NOW

作曲、アレンジ:久保こーじ
1997/04/09シングル ダイハツ「テリオス」CMソング
 hitomiの「出世作」はこの歌だそうです(笑)。そうだったのかしら?私は当時をよく知らないのでよく分からないんですが、たしかにこの曲は結構長いことチャートインしていたような気がします(データによると、この曲はオリコン初登場4位を記録し、これはSAMURAI DRIVEが3位を取るまで5年間の間、hitomiのシングル初動チャートとしては最高記録だったそうです)。
 久保こーじの書いたシングル曲で、hitomiの(いい意味で)「好き勝手」「奔放」「自由気まま」というキャラに似合った一曲だと思います。(もしかしたら、こーじが作曲した曲のなかでいちばん売れたシングルなんじゃないでしょうか?・・・イヤ、アムのDreaming I was dreamingの方が売れたかな?)気だるげな歌い方も、個性を主張しつつ鼻につかない程度にうまく収まっていて、わりとききやすいです。Aメロの囁きには女のコらしさも見えるし。あぁ、この曲はウケたろうなぁ、という感じです。

あと、久しぶりにききかえしてみて、
「18をこえたら もう若くはないって」
というフレーズにどきッとしました(笑)。えぇぇぇー!?もう若くないんですか!?20はダメですか(笑)!?私、座右の銘は「一生死ぬまで若気の至り」なんですけど(笑)!!もうダメですかhitomi先生(笑)!?

3.Turning Point
作曲、アレンジ:久保こーじ
 詩が結構好きです。Bメロのちょっと軽快なフレーズも好き。でも、元モデルが「ファッション誌 もう捨てて」とか言っちゃっていいのかしら(笑)。
 あと、歌をきいている分には別になんてことないんですが、歌詞カードを見ると「えぇー!?」と思うことが一つ。
 hitomiちゃんて、語尾の「ね」をカタカナ書きするんですよね。「ターニングポイントは今だネ」とか、「もっと 優しくなってネ」(My Planet)とか。結構・・・・気になる(笑)。気になりません?私だけかなぁ。
 ちなみに、DJ KOOも時々そうなんですよね。「余裕のない時は、誰でも あるよネ、ホントに」「今、この瞬間、私らしいカナァーなんて」(TRF Friends)とか。なんか、KOOちゃんの場合は「あぁ、ここらへんがジェネレーションギャップなのかしら」とか思ってたんですが(失礼)、バリバリに若いhitomiちゃんが「ネ」だと、かなり違和感がある気がしちゃいます。・・・こんなとこ気にするの、私だけですかネ(笑)?


4.Slow Song
作曲、アレンジ:小室哲哉

 アルバム三枚分ある小室プロデュースのhitomiちゃんの曲のなかで、間違いなく私的ベストナンバー。次点はby myself。
 とにかく好きなのです。メロディもいいけど、歌詞がいい。浪人生やってたころ、この歌の歌詞がイヤになるほど身にしみてました。
 「寝て起きたら出来上がってるなんてワケないじゃん なんて はかない 仕方ないと嘆かずに」
 「飲まれないで 夜に潰されないで」
 というフレーズが大好きで大好きで。模試の結果が悪かったり、勉強が進まなかったり、親に怒られたり、欝入りそうになるとよくこの曲をきいていました。

 こういう、落ち込んだときにきく曲、には3パターンくらいあって、一つはMIYUKIちゃんのFeel the revolutionsとかTPDの「ダイヤモンドは傷つかない」、キーヤキッスの「デリデリ」とか(笑)、とにかくケナゲなほどに明るくて前向きなアッパー系の曲。ムリヤリにでも気分を盛り上げる系。
 もう一つは、globeのFACES PLACESやワナビ、OLIVIAの「できない」とかの、攻撃的で痛い曲。ききながらボロボロ泣いたりして、一回きくとそれだけでスッキリ気分を切り替えられるカタルシス系。
 そして、最後の一つがこのSlow Songやglobeのエニスモ、TRFのFriendsやTKDのHell AgainなどのR&B寄りの曲で、コレはとにかく、ぐたーっとして何にも考えないでぼぅっときく。一回きいて、後はしばらく無音で寝っころがってると、「ま・・・・そんなのもいっか」的気分になってこれる系。
 そして、この「ま・・・・いっか」な気分になれる曲ナンバーワンがこのSlow Songなのです(前置き長い)。
 hitomiちゃんの気だるげな歌い方と淡々としたオケ、ゆったりとしたR&B調のメロディ、そして歌詞・・・突き放しているようで実はすごく優しい言葉づかい。全ての要素が相まって、さりげないけど素晴らしいメッセージソング・・・励ましソングになっていると思います。
 とにかく、私の好きなhitomiは、コレなのです。この、斜に構えたふりをして実はさりげなく励ましてくれている感覚。コレなのです。
 だから、今のあっけらかんと明るすぎるhitomiに違和感を感じるんですよ(笑)。もっと暗くいろ!とか思っちゃう(笑)。

5.poker face
作曲、アレンジ:小室哲哉


6.Free Soul!!

作曲:小室哲哉&久保こーじ アレンジ:小室哲哉
 dosのclose your eyesやん!!と思わずにはいられないこの一曲(笑)。コムロ・・・・使いまわすなら、もうちょっとほとぼりが冷めてから使いまわせちゅうねん!と叫んでしまいます(笑)。
 ・・・イヤハヤ、とにかくコレはそういう意味でサビにインパクトがありすぎて(笑)、きいてビックリした曲です。
 歌詞は、ちょっ・・・と私の苦手な方向です。「背負い込んだ コンプレックス 笑い飛ばせば いいのにね」とか、あとサビのリフレインとかも、ちょっと直球すぎて面白みがないかも。とにかく、hitomiちゃんの詩の「さりげない」ところ、つぶやくような言葉の一つに突然はッとさせられるところが好きなので、こうおおっぴらに面と向かって言われちゃうとちょっと興ざめかな、という感じがします。・・・・あ、でも「甘いゼリーの中で 泳いでいたい」というフレーズは、hitomiちゃんらしい快楽主義で、好きかな。

  ・・・・ちなみに、那々の苦手な作詞家は伊秩弘将氏です。あのヒト、全てがストレートすぎて・・・(笑)。「It’s my life! あたしはあたしよ コンプレックスに負けない♪」って・・・(苦笑)。


7.Hard Days Nights(One More Beauty)
作曲、アレンジ:小室哲哉
 ちょっと・・・私にはアダルト過ぎるかな、という歌です。イエ、歌詞の対象年齢がかなり高い気がするんです。・・・ホラ、那々さんたらまだウブだから(死)。

8.problem
作曲、アレンジ:小室哲哉
1997/06/11シングル 資生堂「ヘアマニキュアジェル」CMソング
 これもhitomiちゃんの開き直った歌い方がマッチしていて、好きな一曲。サビ前の「um〜」というハミングからサビに入る辺りの歌い方が、すごくカッコイイ!ちょっとボーカルエフェクトかけてあるのもグッドだと思います。
 アルバム中、この曲のみコムロコーラスつきで、コレがまた!!小室の方もhitomiの歌い方を意識したのか、いつもよりも情感豊かというか・・・強弱が激しい気がします(笑)。2コーラス目のサビのウーアーコーラスはもう絶品でっ(笑)!私はコレのTVmixがききたくてシングル買ってきましたもん(笑)。でも、インストしか入ってなかった(涙)。なんでだよ〜コレは絶対TVmixやろ〜!!と本気で悔やんだもんです(笑)。イヤほんと、マジで悔しい。
 歌詞は、浜崎あゆみのappearsと似たようなテーマだな、と思いました。サビのところ。・・・イヤ、こっちの方が先に書かれた歌なんですけど(笑)、私はappearsの方を先にきいていたので。あゆちゃんの歌詞よりもサラリと簡潔に語っていて、なかなかいい詩だと思います。
 曲調はラテンで、間奏でギターがむせび泣いちゃったりするのが、それまでのTKファミリーのヒット曲にはない感じで新鮮だったんじゃないでしょうか?


9.Digital Worker(Who’s he?)
作曲:小室哲哉 アレンジ:小室哲哉&久保こーじ

 これはまた・・・小室先生のワーカホリックぶりを歌ったんでしょうか、この曲は?小室先生は決して「クソ真面目」(若い女の子なのにためらいなくこんな言葉を歌ってしまうところがhitomiちゃんらしい)でも「いつも受け身」でもないですけれど、「Digital Worker」って言葉は、ぱッと見、当時の小室哲哉を指していると思われてもしょうがないでしょう。
 hitomiちゃんも、批判というよりちょっとからかった感じで歌ったのかも。マァ、タイトルで「Who is he?」とまで言われちゃ、先生も苦笑いしてたんじゃないですかねぇ(笑)。hitomiちゃん、若い若い。

 ちなみに、こういう曲調のことを「スカ」って言うんですか?私、そういう音楽のカテゴライズに詳しくないのでよく分かんないんですが・・・。


10.PRETTY EYES

作曲:小室哲哉 アレンジ:小室哲哉&久保こーじ
1997/10/01シングル 銀座ジュエリー・マキ企業CMソング

 この曲の歌詞が、すごく好きです。
 「だから今日は勝手に生きようと思うよ」
 「とびきり陽気な心で ドアを開けてみて そこが奇妙な世界でも 自分は自分だって 勝手に思って生きてく」
 この「勝手」という言葉。悪いイメージ(「自分勝手」などの言葉への連想)を含ませずにこの言葉を歌詞にするのってむつかしいと思うんですが、hitomiちゃんはこういうところが上手いなぁ、と感心します。すごく、あっけらかんとした憎めない歌詞。
 グラスハープなんか入ってたりして、フォークっぽい曲調(このアルバム、クレジットに「HARP:MARC PANTHER」って書いてあってビックリしたんですけど・・・この曲のハープのことかな?)。少々サビの繰り返しがくどいかな、とも思いますが、CMソングならかなりインパクトがあったんじゃないでしょうか。


11.deja―vu
作曲:小室哲哉&久保こーじ アレンジ:小室哲哉
 イントロのキィボードのフレーズが好きです。
 でも、アルバムのラストをしめくくる短い歌、としては、セカンドのラストに入っているForeverの方が好きかなぁ。この曲は「心の痛みはこのまま」というかなり切なげな言葉で終わってしまうけど、Foreverの方は「時代を抱きしめて 光の明日へ」という歌詞でアルバムが終わるので、すごく救いのある感じがするのです。


 R&B調の曲からあっけらかんと明るいフォーク、スカ(?)までなかなかバラエティに富んだ品揃えで、本当ならアルバムとしての統一感が失われてしまうようなところを、hitomiちゃんのボーカルの個性でうまく補っているように思いました。
 私的には、ズィス・イズ・hitomi!というアルバムです(笑)。ボーカルのクセが賛否別れるようなのであまり人にはオススメないですけど、私の好きなhitomiは、コレ、このアルバムです。


 えっと・・・ここから先は那々の個人的趣味が出た意見なので、読んでイヤな気分になる方もいるかもしれないんですけど、とりあえず書かせてください。

 はッきり言ってしまうと、今のhitomiちゃんはあんまり私の好みじゃないのです。
 曲がどうとかいうんじゃなくてですね(マァそれも大きいのは確かですが)・・・なんか雰囲気というか、キャラが、私の苦手な方苦手な方に走っていってしまってるのです(笑)。
 なんていうのかなぁ・・・あの、王道をまッすぐにひた走っている感じが(謎)。アナタ、前はもっとヒネクレキャラだったじゃん!とか思ってしまうのです。それはやはり、hitomi作品の中でdeja-vuをいちばん最初にきき、そしてそれがもっとも好きなアルバムであるから、なんでしょうけれど・・・。
 あの、「あたしは自然体で生きるのよっ!」「あたしはあたしなのよっ!」というキャラを前面に押し出しすぎているところ・・・と言えばいいのかしら・・・あまりにも素直にまッすぐすぎて、逆に面白みがない気がしちゃうんですね。
 勿論、その明るさがhitomiちゃんの本当の個性であり、このdeja-vuのころのヒネクレキャラ、「小室ファミリーのオチコボレ」(久保こーじ)なやさぐれキャラこそが、作っていたキャラだったのかもしれないんですけどね・・・今の明るく健やかなキャラでhitomiちゃんが気持ちよくいれて、なおかつ売れててくれればそれがいちばんなんでしょうけども・・・・どうも、那々の好みではないようなのです。
 なんというかあの・・・・「恋も仕事もがんばる☆働く20代中盤独身女性のオピニオンリーダー」みたいなポジションにスッポリはまった感じがありますよね(笑)。浜崎あゆみ以上、松島菜々子未満、みたいな年代の女性にかなり支持されていて。もともとファッションモデル出身だからセンスもいいし(曲はともかく「SAMURAI DRIVE」の衣装は素晴らしく格好よかった)、歌詞は分かりやすくてサバサバしてるし、浮ついたハナシの一つもないし(笑)。
 確かにキャラは私の好みではなくなってきてしまったけれど、あの開き直ったような歌い方は今でもきけるし、これからもさやわか前向きキャラでがんばってってほしいものです(笑)。
 なんてったって、小室ファミリーを卒業してからの方が売れてる、というアーティストは、(少し悲しいことに)過去他にいませんから。