ハンドメイドTKへの道。

こちらは、洋裁暦一年半の私が、globe access best seasonsツアーまでの間に、ない知恵をしぼって、なんとかRelationツアーのTK(ここでは、高3の頃の自分のパッションを思い返すために、あえて律儀に「TK」と呼び通してみる)のコスプレを再現してみようと頑張るコーナーです。
正直言って、最終公演の国フォまでに間に合うかどうかも不安なのですが・・・なんとか間に合わせる。間に合わせてみせます。学生最後の秋をこれに賭けてみせます(笑)。

1、資料を集める
RelationツアーのDVD、雑誌などを見返して、衣装の細かい造作を確認します。
まず、book of Relationを見返して、三人のオープニング衣装を平置きで撮影してあるページを発見。これは見やすくてうれしい。
それから、当時原宿の生写真屋で買った、ライブ生写真(というか、要は盗撮・・)。静止画だと、この二つくらいしか資料はありません。
次に、RelationのツアーDVD(PONちゃんから借りっぱなしだった代物)を見返します。本当なら最初のディパチとスイペ、そしてラストのスイペとillusionだけ(つまり、「現実」の部分)見ればことは足りるはずなのですが・・・気づいたら真ん中の「悪夢」の部分まで含めてフルで見ていました(笑)。
というわけで、写真と映像を見ながら気づいたことをメモ。コートについては、
 ・丈は相当長い。下から20センチくらい
 ・ベルトは銀の太いバックル
 ・背中のスリットは、ベルトのすぐ下くらいから入ってる
 ・左右にフラップポケット
 ・ボタンは左右5つずつ
 ・背中の十字架はかなり大きい。銀色の金属っぽい素材のパネルを並べて作られている
などの発見がありました。その他、レザーパンツはサイドに編み上げがあること、靴は上げ底なしの白い靴であること、シルクハットの作りなど、色々と観察ができました。・・・とは言っても、これらの観察の結果を全て忠実に再現できるとは限りませんが。
シルクハットはかなり高さがあって、本格的なものでした。今まで、これの白バージョンを取り寄せてもらえば大丈夫かなーとか考えていたのですが、もっと高くてカッチリした雰囲気のものの方が良さそう・・・。

2、布を仕入れる
資料が少ないので、コートの素材がよく分からないのですが・・・とりあえず白のレザー系かな、と推定。日暮里の繊維街に買出しに行きました。
日暮里といえばトマトが有名ですが、意外にフェイクレザーの品ぞろえが少なく、2時間近く繊維通りをさまよったあげく、大通りから外れたところにある小さな布屋さんでお安い物件を発見しました。なんと92センチ幅でメーター315円!裁断に失敗したときのために余裕を持って買うことにして、
・フェイクレザー 315円×6メートル
・裏地 105円×6メートル
・シール接着芯 105円×6メートル(表布の裏側に貼り付けて、布の強度を高めるために使います)
=合計3150円なり、でお買い上げ。メーター1000円くらいは覚悟していたので、思いがけずいい買い物ができてホクホクでしたが、これだけの荷物を抱えてJRに乗り、馬場ー早稲田間を往復するのは辛かったです・・・。

3、設計図を書く
洋裁の本に載っている型紙を参考にしながら、型紙を作ります。ただ、スタンドカラー+ダブルボタンのコートの作り方なんてどこにも載っていないので(笑)、とりあえず、普通のコートの型紙を修正して使うことにしました。
ところがこれが大変で!本に添付されている型紙を新聞紙に書き写し、さらに大幅にラインの書き直しをしました。普通のワンボタンタイプの型紙をダブルブレストタイプに直し(しかもトレンチコートなどのダブルブレストともちょっと形が違うため、線の引き方にかなり迷う)、フラットカラーをスタンドカラーに変え、そしてストレートのシルエット(パーツが4つ)をパネルライン切り替え(パーツが8つに増える)に書き換えて、メリハリあるシルエットに改造しました。
型紙の原型は「ジャケットとコートの手ほどき 〜プロの仕立てをきちんと学ぶ〜」より。パネルライン切り替えへの型紙補正は、雑誌「フィーメィル」とその増刊号を参考に。型紙を完成させるだけで相当の時間を費やしました。
ただ、詰襟風スタンドカラーの作り方は、やっぱりうまく分からないまま。結局は、実際に肩のラインを組み立ててから、衿を何度も作り直しては仮縫いして、試行錯誤していくしかないみたい・・・。

その他1、シルクハット
こればっかりは作れないので、取り寄せることにしました。幸い、シルクハットの業者さんがヤフオクに色とりどりのシルクハットを出品していらっしゃったので、白のLサイズを落札。数日後には届きました。










送料手数料込みで5175円なり。すごくしっかりした作りで、サイズも高さも丁度よかったです。ラッキー。



4、布地に転写&裁断
型紙を布地の裏に当てて、チャコペーパーとチャコペンを使ってラインを取ります。表布、裏地、そして接着芯の三種類、合わせて30個以上のパーツを切り出し、さらに表布に合わせて接着芯を貼り付けます。パーツの数が多い上に、一つひとつのパーツのサイズがデカいので、この工程だけでまる二日費やしました。
ただ、レザー地がものすごく硬くてしっかりしているので、切った布の端っこがほつれる心配はなく、切りっぱなしでOK。ジグザグミシンをかけてほつれ止めを施す手間は省けました。
型紙を当てて、チャコペンでなぞる。
まず裏地を裁断。









こちらは表布。表布の方がパーツが多い。これ以外に襟も必要。


5、パネルラインを縫う
やっとミシンを使い始めます。まずは胴体の縫い合わせから。背中パーツと後ろ脇パーツ、前身ごろと前脇パーツを縫い合わせます・・・ところが、これが死ぬほど大変でした!元々、パネルラインというのはカーブが急なので、慎重に縫い合わせないとラインがきれいに出ないのです(普段私は、パネルラインよりももうちょっとカーブがゆるくて、縫い合わせるのが簡単な、プリンセスラインというパターンを使っています)。しかも、表布に使ったフェイクレザーが物凄く硬い!ラインに合わせて布を曲げようにも、曲がらない!布が厚すぎてマチ針がなかなか刺さらない!・・・と、初っ端からいきなり死ぬほど苦労しました。
まぁとにかく布が厚すぎてマチ針がうまく通らない。やっとのことでマチを打っても、ズレる。十本打ってもズレる。がっちり仮縫いして、その上を忠実にミシン針でなぞったつもりでも、それでもひっくり返すと縫い目が1センチ以上ズレている(凹)。糸は引き攣れる、縫い目は飛ぶ、針は折れる(現状ミシン針1本、マチ針3本をダメにしました)。ハトロン紙を挟まないと布の滑りが悪くて縫えないし、マチ針を抜いた跡や縫い損じた糸をほどいた跡はボツボツと目立って見苦しい。ぺらぺらのやわらかい合皮は嫌だったので、エナメルに近いような質感の、しっかりとした布を選んだのですが、その選択が、まさしく「裏目」に出ました。胸パーツと前脇パーツを一ヶ所縫い合わせるのに2時間以上かかりました。

まずマチ針を打って、
手縫いで仮縫いをして、
その上からミシンをかけて、やっと完成。
表返すとこんな感じ。このカーブを出すのが一苦労。
















8つのパーツを全て縫い合わせると、こんな感じ(これは後ろから見た図)。


6、小物パーツ調達
布以外に必要な部品として、
・白いボタン12個
・銀のベルトバックル(ベルトは表布で作ることにしました)
・肩パット
このあたりを買出しに、日暮里へ。ところが、肩パッドはともかく、いいボタンとバックルがなかなか見つからず・・・白いボタンというと、安っぽいプラスチックボタンしか置いてないところが多くて困りました。いっそ金属のボタンだったら、模様の彫ってあるカッコいいボタンがいくらでもあるのに!日暮里中を探したあげく、「・・・仕方ない、前回の衣装につけたボタンを再利用しよう」という結論に達しました。
前回、つまり高3のときに作ったTK衣装には、大きさも材質もピッタリのボタンがちょうど12個ついていたので、これを泣く泣く取り外して、新しい衣装に使いまわすことに決めました。高3のとき、私はどこでこんなボタンを買ってきたんだろう・・・。
ベルトバックルも、なかなか丁度いい形のものが見当たらず・・・本当は四角い一枚板のバックルなのですが、仕方ないのでとりあえず形の違うバックルを購入(正確に言うと、ベルトを購入して、バックルだけ取り外す)。うーん、納得いかない・・・。

その他2、パンツ&靴調達
足元は、白いパンツに白い靴です。ただ、コートの丈がすごく長いので、足元はほとんど見えません。・・・というわけで、ごめんTK、コートとシルクハット以外の部分は、手抜きさせていただきます。
というか、冬場のこの時期に白いパンツなんてなかなか売ってません。本当はレザパンがほしかったのですが、レザーどころか綿パンツもホワイトジーンズもなかなかいいものが見つからない。第一、ジーンズショップのおじさんに「あなたの体型で白は止めておいた方が無難」と断言される体型なので(苦笑)。
というわけで、散々探し回ったあげく白いパンツは一旦諦めて、足元はとりあえず白いブーツで隠すことにしました。もうこの時点でかなり本来の衣装からは激しくズレはじめました(笑)。後から時間があれば、白いパンツをもう一度探すか、もしくは作るかしたいです・・・。
というわけで、白いブーツ探しに命を賭けます。条件は、
・白いこと(当たり前だ)
・高さがあること(→エンジニアブーツなどは×)
・足元が安定していること(→ピンヒールブーツは×)
この三点です。RelationのDVDを見るかぎり、TKが履いているのは上げ底ではない、ぺったんこのブーツ(それこそエンジニアブーツっぽい感じかな?)に見えるのですが・・・ごめん、厚底だけは譲れない(笑)。ライブにぺったんこ靴で行くなんて勿体なさすぎるし、私はスニーカーすら8センチも上げ底するほどの厚底フェチなので(笑)、ここだけは現物のTKとかけ離れようが何だろうが私の趣味を優先させていただきます(断言)。
というわけで、新宿のマルイワンやら原宿の竹下通りやら、厚底の扱いが多い店を回っては、試し履きの日々。・・・しかし、私の足は24.5〜25なので、なかなかサイズが合いません。試着してもつま先がきつくて断念した物件数知れず(涙)。
・・・しかし、だんだんへこたれ気味になっていたころに、ふらっと立ち寄った池袋の古着屋で、「これはッ!」というブーツをやっと発見しました。薄汚れてはいますが、高さも安定感もバッチリ。サイズもLで丁度ピッタリ。しかも4800円なりき。
即購入しました。
どーん。
・・・・すごい迫力です。
コージクガという、アバンギャルドでアグレッシブな厚底を作るブランドのものです。ネットで調べたら、どうやら元値は3万くらいしそうな予感・・・いい買い物をしました(ホクホク)。
しかし、このままではさすがにアグレッシブすぎるので、少々改造します。コージクガらしい、意味の分からんレザーテープの装飾パーツを、取り外し可能にしました。かなり強引な改造です。
でもこれで随分おとなしくなったでしょ?
ちなみにヒールは12センチくらいあります。片足1.2キロあります。・・・・足元のバランスは安定しているので、歩きやすいことは歩きやすいのですが、飛び跳ねると非常に疲れます(苦笑)。

7、襟をつける
前後のパーツの肩ラインを縫い合わせ、首周りに襟をつけます。
最後の最後まで、襟の形に悩んでいたのですが、思い切ってもう一冊本を借りてきました。「エレガントにチャイナ服」。スタンドカラーといえばチャイナ服だろう!というわけで、チャイナブラウスの襟を参考にして、襟の形を切り出しました。
スタンドカラーをピン!と立たせるために、表襟・裏襟共に接着芯を貼り付けました(普通は、表襟にしか接着芯は貼らない)。おかげで、襟の端にステッチをかけるときに、布が分厚すぎて針が通りにくくなり、一部手縫いでステッチをかける羽目に。
十本以上マチを打ち、慎重に仮縫いして、襟パーツを本体に縫い付けます・・・努力の甲斐あってか、かなりきれいに縫えました。接着芯を入れたおかげで襟の立ち上がり具合も上々です・・・いや、むしろ、立ち上がった襟が丈夫すぎて、首にギブスはめてるみたいですが(笑)。高さも申し分なし。我ながら、出来上がった襟元を見て、自画自賛してしまいました(笑)。
ただ、高さはともかく、ちょっと襟パーツの「長さ」が足りなかったかなぁ・・・・。
襟の全体図。
角のあたりは、手縫いでステッチ。

8、袖付け
襟付けに続く難関・袖付け。実は、私は今まで、袖がしっかり付いた服って、二着くらいしか縫ったことがなかったんです。しかも、その二着はどちらもパフスリーブ(ちょうちん袖)。だから、多少の長さのズレは、ギャザー分に入れて誤魔化してしまえたのですが(笑)、今度はギャザーなしの真っ直ぐな袖なので、袖パーツと胴体パーツの長さがズレることは許されません。相当緊張しました。
とりあえず、マチを打つ。打つ、打つ、打つ。袖を一つつけるのに、マチ針を26本使いました。
思うように曲がらないレザーを罵倒しながら、強引に縫い付けていくと・・・なんとかそれほどズレもせず、無難に袖が付きました。








マチを打って、仮縫いをしたところ。もう、マチ針が指先に刺さりまくりの流血沙汰。


しかし、型紙通りに裁断したはずなのに、なんとなく袖筒が太い。あんまりオシャレじゃない感じがする・・・。

9、裏地を組み立てる
しばらく表布のレザーばかり縫っていたので、薄くて柔らかい裏地は扱いやすくて涙が出そうでした(笑)。今回はコートの全体に裏地をつける「総裏地」型なので、袖もつけます。
裏地の袖付け。こちらもアホみたいなマチ針の数。

9、サイズの微調整








襟&袖のついた図。まだ前の「合わせ」部分や裾部分は、切りっぱなしのまま。


ウエストと袖筒がやたらに太いのが気になったので、思い切って縫い直しすることに決めました。小室が実際に着ていたコートも、すごくスレンダーなフォルムで、小室の細ーい体のラインが強調されていたのに、レプリカがあんまりズンドウなコートじゃみっともないなぁ、と思ったので。
というわけで、袖幅と背中部分を、それぞれ4センチくらいずつつまみました。真っ直ぐな「I」ラインのシルエットだったのが、少しウエストの締まった「A」ラインシルエットに変わりました。うん、これで少しは小室に近づいたかな(←自己満足)。
しかし、表布をつまんだだけでは裏地がだぶだぶに余ってしまうので、裏地も同じだけつまんで縫い直すことに・・・縫ったりほどいたりまた縫ったり・・・と、めんどくさかったです。

10、表と裏を張り合わせる
正直言って、総裏地をつけるような大物を作るのは、初めてでした。裏地と表布との張り合わせ方がよく分からなくて困っていたのですが、丁度この頃に発売されたばかりの「フィーメィル」最新号(04年12月号)に、裏地つきコートの作り方がすごく詳しく載っていて、とても参考になりました。
ただ・・・この「張り合わせ」を、私は13日(静岡公演の前日)にほとんど徹夜してやっていたんですが、突然ミシンの調子がおかしくなって・・・上糸はともかく、下糸がぐちゃぐちゃに絡むばかりで、とりあえず縫い進めることはできなくもないんですが、裏返すと糸が絡みまくって死ぬほど見苦しい。こんな硬い布ばっかり縫えるかボケ!とミシンに反乱を起こされました(笑)。
そんなミシンを騙し騙し使いながらなんとか裏表を張り合わせ、応急処置ながらも裾を折り返して縫い終わったときには、自分でもちょっと感動しました(笑)。特に襟の付け根のあたりを見て、あぁ、ちゃんと、普通の服みたいだ。いつも着ているコートとおんなじだ、って感極まりました。

11、腕章を作る
小室の左腕についていた、赤い腕章を作ります。一年以上前にスカートを作ろうと思ったっきり挫折して放置してあった、赤いレザーを引っ張り出してきたんですが、微妙に長さが足りない。仕方ないので、裏地は何種類もの端切れを切り張りして、なんとか作りました。
表地は、ちゃんとしてる。
でも、内側はツギハギだらけ(笑)。

12、十字架を作る
再び日暮里に出向き、銀色のレザーを買ってきました。1メートル500円くらいかな。ほんとは1メートルもいらないんですが、メートル単位でしか売ってくれないので仕方なく。余り布を何に使えばいいんだ・・・。
大阪公演のときは時間がなくて、レザーを十字架の形に切ったものを直接ピンで留めていたのですが、やはりぺらぺら感が否めなかったので、もっとしっかりしたものを作り直そうと思い、接着芯を貼ったレザー同士を二枚、接着剤で張り合わせて、裏側のレザーのみにピンを刺しました。手間はかかりましたが、結構硬い十字架が出来上がりました。

13、肩章を作る
ミリタリ度を高めるマストアイテム・肩章を作ります。小さいパーツはひっくり返しにくくて、袋縫いするのが大変でした。
黄色いのは、私の着てるジャージ。



・・・・・・以下次号。