2002/09/01

 ヨシキがglobeに正式に加入する、ときいたのは、予告されていた9月1日の、午後、5時ごろだったでしょうか。
 その日いちにち朝から・・・いえ、前日の夜くらいから、私は神経をピリピリさせて発表の瞬間を待っていました。早く知ってしまいたい、もしかしたらすごくいいことなのかもしれない、私のとり越し苦労なのかもしれない、だったら早く知ってスッキリしてしまいたい・・・という思いと、もし私の予想通りだったら、本当に私の予想していたことが起こってしまったら、最悪の事態が本当に実現してしまったら私はどうしていいのか分からない・・・そういう思いとがゴタマゼになって私の胸の中で渦を巻き続けていて、日付が変わった瞬間から一日中、パソコンの電源を三十分と切ったままでいられませんでした。globeサイドヨシキサイド両方のオフィシャルサイトとファンサイトをひたすら行ったりきたりして、何度となく何十回となくリロードを繰り返すばかりで、何ひとつ手につきませんでした。
 そしてとあるglobeファンサイトで「オフィシャルに発表が出てる!」という書き込みを見て、急いでkomuro.netに飛んでいって、そこで「ファンのみなさんに重大な発表があります」という文字を見つけたときの、体がすぅっと冷えていくような感覚。文字を読み進むことを目が拒否するような、書いてある文章の意味を理解することを頭が拒むような、そんな衝撃でした。頭がクラクラするような、呼吸をするのを忘れるような、そういうショックでした。
 コメントの続きを読むために画面をスクロールさせる方法を、一瞬、思い出せませんでした。

 こんな日がくるなんて想像もしていなかった。

 ショックを受けました。どうしていいのか分からないくらいに強く、受けました。いちばん信じていた人に、突然に裏切られたようなショックです。

 そして、私はそのショックから、未だに完全には立ち直れていません。
 いつか必ず立ち直れるという、断言もできません。

 まる三日ほどの間、globeの曲がきけませんでした。globeだけじゃない、全ての歌が、音がききたくなかった。何もききたくなかったし何もしたくなかった。起きて、ものを食べて、バイトに行って何も考えずにただ動いて、家にいるときはただぼぅっとして、ネットサーフィンをして他の人の反応を調べて、あとは、ずっと眠っていたかった。
 一時はこのサイトも閉じようかと思いました。すべてのCDを売り払ってしまおうかとも思いました。もうglobeなんかきかない。これからのglobeどころか、今までのglobeだってきくものか。二度とこのままきかずに、全部捨て去ってしまおうかとも思いました。もう何も好きにならない。これから先、何ひとつこんなに夢中にならない。こんなに真剣に好きにはならない。こんな思いをさせられるくらいなら、globeなんて好きにならなきゃよかった・・・・そこまで思いました。
 でも思いだけは残っている。私の好きなglobeがどこにもいなくなってしまっても、それでも、globeが好きだという私の気持ちだけは、残り続けてしまっている・・・・多分このままいつまでも。
  青春が消えていく でも情熱はいつまで続くの
  記憶の城を見つけました この場所でこれから一人過ごします
 そんな歌詞が頭の中で鳴り響き続けて、どうしていいのか本当に分からなくなってしまった。去年、野猿の解散を悲観して自殺した女の子たちがいたそうですが、私にははじめて、その子たちの気持ちが少し分かるような気がしました。
 ほんの少しでも気持ちの整理をつけられるようになるまでに、五日かかりました。

 私は、今でも、globeにヨシキさんが正式なメンバーとして恒久的に加入してしまうことに、納得がいきません。
 ヨシキさんが悪いのではないのです。「ヨシキ加入」がゆるせないのじゃありません、「新メンバー加入」がゆるせないのです。
 globeが4人になる。
 私には、それが今でも、受け入れがたい悪夢なのです。

 私はこの五年半の間、globeをずっとずっと愛し続けてきました。
 けれどそれは、globeの創り出した作品だけを愛してきたわけではありませんし、その中のパーツ・・・たとえばケイコのボーカル、マークのラップ、小室の曲、それらのどれか一つだけを愛してきたわけでも、勿論ありません。
 私は、globeの作品を愛すのと同時に、globeというグループの存在自体を愛してきたのです。globeという、一つの完成されたトライアングルを愛してきたのです。先生な小室がいて、自由人のマークがいて、姫のケイコがいる。小室と、マークと、ケイコという、トライアングルの要素、このうちどれが欠けても、何が余っても、私は多分ここまでglobeを好きにならなかったでしょう。
 そこに第四の要素が入ってくることは、それはもう、globeをglobeでなくすることのようにしか思えませんでした。四人のglobe、という言葉は、凄まじく矛盾したものに感じられたのです。まるで、三角形の第四辺、とでもいうように。

 そのショックに追い討ちをかけたのが、他のファンの方々の反応でした。
 ひとつ、行きつけのglobeファンサイトさんがあります。たくさんのファンの方が集まり、さかんな意見交換が行われる、私にとっても大切な交流サイトさんでした。
 ヨシキ加入の報をきいてすぐに、私はそこへ行ってみました。私と同じくらいにショックを受けている人たちの反応を見て、少しでも自分を慰めたいと思ったからです。
 ところが、そのサイトさんを見ても、そして他のどのサイトさんを見て回っても、驚いたことに、私のようなショックを受けているファンは非常に少数だったのです。噂として「ヨシキは正式加入らしい」という情報が流れた段階では反対していた人たちも、いざ加入が発表されてしまうと、一瞬の恐慌を経て、素直に歓迎してしまっているのです。・・・・そのことに、私はもう一度衝撃を受けました。
 その方たちを批判しているわけではありません。どう思いどう受け止めようとその方個人個人の自由ですし、さまざまな反応があって当然だと思ったからです。
 しかし、私のようなダメージを受けている方がほとんどいらっしゃらないことに、私は驚いたのです。

 ・・・・今、その方たちを批判しているわけではありません、と書きましたが、やっぱりそれは嘘です。批判というより・・・信じられなかったのです。呆然としたのです。みなさんの切り替えの早さに。
 正直に申し上げます。どうして!?と思いました。どうしてみんなそんなにすぐに受け入れられたの!?あなたたちにとってのglobeって、一人増えてもどうってことないような、そんな程度のものだったの!?と思いました。どうして平気なの!?どうして私みたいに取り乱してないの!?どうしてそんな平気な顔で、これからも応援していきましょうだなんて言えるの!?
 そのときは、素直に肯定できている人たちを、ゆるせなくさえ思いました。
 すべては、パニックと、私と同じような気持ちの人が見つけられなかった苛立ちからです。
 今度はヨシキサイドのファンサイトに行ってみました。globeサイドとは正反対に、ほとんどのファンの方が恐慌し、混乱し、取り乱していました。そこでは小室やglobeに対する心無い批判の言葉もたくさん見られましたが、こちらの方々のヒステリックな反応の方が、かえって私には自然に思えたのです。
 絶対反対!お願いだからやめて!今すぐ脱退して!globeなんかと一緒にならないで!・・・・たしかに過激な言葉遣いやglobeファンには辛い書き込みも多かったのですが、それでも私は、恐慌しているヨシキファンの方々の方に、親近感を抱きました。

 その夜のうちに、マークにメールを書きました。どうか考え直してくださいと、どうか「正式」加入だけは考え直してくださいと、長いメールを送りました。
 非常識だと呆れるかもしれません。これを読んでいるほとんどの方々が、「ファンのすることではない」と私の行動を非難されるかもしれません。
 それでも私は訴えずにはいられなかったのです。
 書きながら、私は勝手だなと思いました。自分が、こんなにまでききわけのない人間だとは思っていなかった。ここまでなりふり構わない、自分の気持ちを他人に一方的にぶつけなければ収まらないような人間だとは、自分でも思いもしませんでした。

 ほとんど眠れないうちに9月2日の朝になり、私は朝の五時半に起き出して、ワイドショーの報道をチェックしました。さすがにglobeとヨシキの両方が関わるニュースとなるとワイドショーでの扱いもよく、ほとんどの番組がトップ扱いで報道してくれました。
 ・・・・そこではじめて、小室の口から、「globeは四人になりました」という言葉をききました。「globeのヨシキです」という言葉もききました。
 あぁ、もう戻れないんだ。そう思いました。
 1日の夕方に公式コメントを読んでいても、それでも心のどこかで信じない気持ちがあったのです・・・けれど、本人たちの口から、特に小室の口から、あんなに多くの観衆の前で堂々と宣言されてしまうと・・・・もう信じずにいることはできないのだと・・・・思い知らされ、打ちのめされました。

 発表から五日が経ち、私も少しは冷静さを取り戻したつもりです。ヨシキさん本人からの加入に関するメッセージを読ませていただき、そこでヨシキファンだけでなくglobeファンのことも慮った発言をしておられることには、少なからず安堵しました。

 「7年間ものあいだglobeとして築き上げてきたもの、それって音楽だけじゃないと思うんですよ。globeのメンバー間の友情であったり、ファンの皆さんとの信頼関係であったり、そこに誰かがポンッと入ってきたら、それは誰だって戸惑うでしょう。仮にそこに参加した人間が僕でなかったとしても、globeのファンの皆さんがそこまで混乱している=(イコール)それだけglobeのメンバー3人のことを愛している、みたいなことだ思うんですよ。だから、僕が加入しようと脱退しようとglobeのメンバー3人と多くのファンの人たちが築いてきたそのような美しい関係だけは壊さないで欲しいと思いますね。」

 ヨシキモバイルという、ヨシキさんのオフィシャルサイトからの転載です(転載許可は出ています)。これを読んで、ヨシキさんをすごく見直しました(失礼な書き方になるかもしれませんが)。ちゃんと、この人は分かっているんだ、とホッとしました。
 発表から五日経っても肉声コメントを何も出さないglobeメンバー三人に比べたら、ずっとずっとファン思いです。この文章の前後にはジョーク交じりの軽い口調も見られますが、加入直後に発表された同じモバイルインタビューでの冗談っぽい語り口には腹を立てた私も、今回はファンをなごませようとするヨシキさんなりの気遣いなのかな、と解釈できるほどでした。
 肝心なglobeファンへのメッセージという部分では、最終的に言葉を濁してしまっている部分もあるのですが(Xファンとglobeファンとの衝突を避けるためでもあるでしょう)、このインタビューを読んで、ヨシキさんに対する心情はぐっとよくなりました。

 しかしそれでもやはり、彼の方に全く悪気がないことは分かっていても・・・・勿論、小室たちにだって悪気などないのでしょうが・・・・、今回のメンバー加入には素直に賛成できかねます。
 なぜなら、ヨシキさんが負うリスクとglobeが負うリスクとが、桁違いに大きいと思うからです。
 ヨシキさんは身一つでglobeに入ってきました。そのヨシキさんを、globeはglobe全体で迎え入れます・・・・この話、どう見てもglobeの方に分が悪いと思うのです。
 ヨシキさんは、ご自分でおっしゃるように、そしてヨシキファンの方々もおっしゃるように、VIOLET.U.Kという自身のプロジェクトを持っており、そちらを「命をかけて」やっていらっしゃるようです。つまり、globeと自分のプロジェクトとの両方があり、globeという場所が仮になくなったとしてもダメージは小さいでしょう。
 しかし、globeにはglobeしかありません。ヨシキさんの加入や脱退によって直接にダメージを受けるのは、globeというユニットそのものなのです。そして小室はともかく、ケイコとマークにとってはglobeがいちばんの居場所なのです。
 往生際が悪いと思われるかもしれませんが、私はいまでもやはり、ヨシキさんがいつかglobeから脱退するシナリオを願っています。四人体制をすでに喜んで受け入れている方々には申し訳ないですが、今の私はどうしてもその日が来るのを待ってしまっています。
 けれど、加入があれだけ大々的に報道されてしまったからには、あまりに早々に、露骨に脱退されても困るのです。脱退によるダメージはヨシキさん本人にはあまりないかもしれませんでしょうが、globeの歴史には確実に傷がつく。
 加入発表直後の公式インタビューを読むと、あまりにもglobe加入を軽く見すぎている感があって(勿論、「軽い気持ちで誘った」と堂々と公言する小室にも腹は立ちますが)、正直なところ、私としては戸惑いました。VIOLET.U.Kが大切なことは分かりますが、あまりそちらとの対比を語ると、ヨシキファンの方々のように「VIOLET.U.Kが命がけで、globeは軽い気持ちの息抜き?VIOLET.U.Kへのウォーミングアップ程度?」と思えてしまうのです。
 加入してしまったからには、彼にも、globeには死に物狂いで取り組んでいただかなければならないと思うのです。

 そしてもう一つ。ヨシキよりglobeに分が悪いと言う理由はもう一つあります。
 上にも書いたように、ヨシキにはヨシキ個人の活動があり、globeがある。しかし、globeにはglobeの場所しかありません。globeの曲を発表し、披露できるのは、globeででしかありえないのです。
 しかし、その唯一の場所にヨシキさんが入ってくる。これはどういうことかというと・・・・globeは、ヨシキさんに、今までのglobeの曲の全てを明け渡さなければならないということです。
 明け渡す、はとてもよくない表現かもしれません。けれど、ヨシキさんとglobeとのこれからの活動を考えたときに、globeの全ての曲にヨシキさんの手が触れられることは事実でしょう。
 これからの曲については構いません。四人で作ったものであるならば、最初から四人で歌われ、演奏されることを前提に作られたものなのですから。
 しかし、今までにglobeが創ってきた曲の数々についてはどうでしょう。過去七年間でglobeが作り上げてきた楽曲の数々、しめて百曲近く、その全ての演奏に、ヨシキさんの手が加わるのです。DEPARTURESも、FACES PLACESも、wanna Be A Dreammakerもgenesis of nextも、INSPIRED FROM RED&BLUEも「ひとりごと」もUSも、すべてこれからはヨシキさん込みで演奏されるのです。
 私にはそれが耐えられないのです。
 globeの曲は、小室がglobeのために書き、三人で演奏することを前提として創られたものです。四人目の演奏者が加わることなど、みじんも想定されていなかった曲たちです。
 DEPARTURES。雪山ではじめて出来上がった曲をきいてみんなで涙したという、そのレコーディングを経験していない人が加わる。
 FACES PLACESのレコーディング、ドームツアーのプレッシャーの中でケイコとマークがどれだけ追い詰められながら歌ったかも知らない人が、加わる。
 遠く離れ離れになった孤独も不安も経験していない人がWanderin’ Destinyに参加し、再び再会した喜びを知らない人がLove againを演奏する。
 アルバム四枚目にしてはじめてクレジットがProduced by TKではなくglobeになった、その言葉に込められた意味などとは全く無縁だった人が、Relationの曲に手を触れる。
 CRUISE RECORD、outernet、LightsにLights2、それらを創り上げるのに何ひとつ関わってこなかった人が、ある日突然にやってきて、知らない手でそれらにさわる。
 七年間の間・・・いや、globe結成の構想が小室の頭に浮かんだその日から今まで、ゆっくりとじっくりと時間をかけて育ってきた一つの見事な結晶に、突然に知らない指紋をつけられるような心地です。
 私には耐えられない。あの三人以外が触れていいものじゃない。たとえどんな人物であろうとも、あの三人のために作られた世界に今さら誰かが入り込んできていいわけがない。

 Xファンの方々のほとんどは、XのSay Anythingがトランスミックスでglobeにカバーされたことに憤慨していらっしゃるようですが、globeの楽曲全てにヨシキさんの手が加わることを指摘している人は(globeファンの中にさえ)ほとんどいないように思えます。一曲と百曲近く、数が多い少ないの問題ではないのかもしれませんが、愛する曲を知らない手に触れられることへの嫌悪と恐怖を、globeファンは感じてはいないのでしょうか。

 私はXファンではなく、globeファンです。そして小室哲哉のファンでもあります。彼の性格上、一つの曲を極端にリミックス、リアレンジしたり、他の歌手に歌わせることにはある程度慣れています。鈴木あみのBe Togetherは本家TMバージョンよりも親しみやすくて好きですし、tk trapのCAROLも気に入っています。sisterKのカバーしたDEPARTURESに至っては、時々「原曲を超えてるんじゃないか」と思うときもあります。TMの曲をglobeがカバーしようが、その反対をしようが、私は全く拒否感を持たないでしょう。反対にヨシキさんが自分のプロジェクトでglobeの曲をカバーしても、平気どころか、気に入ってくれて光栄だと思うだけでしょう。
 ・・・最も、カバーに関してここまでリベラルな私は少数派かもしれません。鈴木あみのBe Togetherには多くのTMファンが不満を感じているようですし、宇都宮隆の声で歌われないCAROLには何の意味もないとおっしゃる方も少なくはないからです。
 しかし、そんな私が、どうして今回はここまで抵抗があるのでしょう。
 多分それは、「globe」という名のもとに歌われるからではないかと思います。「鈴木あみ」が「TMNETWORK」の歌をカバーするのは構わない。「sisterK」が「globe」の曲を自分流にアレンジしてしまうのも平気です。でもそれらは全て、違う歌手が歌うのです。歌い手が変わった時点で、その曲は「TMのBe Together」ではなく「鈴木あみのBe Together」になるからだと思うのです。
しかし今回は、今までと同じ「globeのDEPARTURES」として歌われるのです。「これがglobeのDEPARTURESです」と言われるのです。名義も何も変わっていないはずなのに、ボーカルを取るのはやはりケイコとマークなのに、しかし中身だけが違っている。そこに凄まじい抵抗があると思うのです。
 いっそ、名前も変えてしまえばよかったのかもしれません。もし本当にヨシキさんを恒久的に迎え入れるならば、new globeとでもneo globeとでも改名してしまえばよかったのかもしれません。「neo globeのDEPARTURES」と言われればまた違った反応をしたのかもしれませんが、今のままではどうしても納得がいかないのです。

 私にとってカバーが納得できるかできないかは今述べたような基準で決められるので、「globe」が「X」のSay Anythingをカバーすることには、多分私がXサイドのファンであったとしても、あまり抵抗は感じなかったのではないかと思います。
 しかし、そう思うのはglobeファンのエゴが混じっているからであることも分かっています。所詮ヨシキさんのファンでもXのファンでもないから、だから平気なんだ、と非難されれば、その通りですと答えるしかないでしょう。

 今回の出来事で、私は、ファンは所詮ファンのエゴでしかものを見れず、ものを言えないのだなと・・・そう痛感しました。
 globeファンを指しているのでもヨシキファンを批判しているのでもありません。
 私のことです。
 私はglobeがもの凄く好きです。けれど、ヨシキさんのことはあまり詳しくは知りません。勿論、Xのリーダーであったこと、ドラムが世界最速と言われているほど凄まじいこと、ピアノもプロ級に上手なこと・・・その程度のことしか知りません。そしてこれらの知識も、ほとんどV2関係の雑誌記事で知ったことです。自主的に知ろうと思ったことは今までにほとんどありませんでした。
 ですが、Xの解散、その後の各メンバーの動向については、(メンバー全員についてではありませんが)知らないわけではありません。彼が自分のバンドのことでとても辛い思いをしてきただろうことも、少しは想像がついていたつもりでした。
 けれど、お台場のa+nationの舞台で、彼が「X JAPANのヨシキです・・・あぁ、X JAPANはもうないんだった。とりあえず・・・・とりあえずって言っちゃまずいのかな・・・今のところ、globeのヨシキ、です」と笑いながら言ったとき、私は「とりあえず、今のところ、globeのヨシキです」という言葉に彼のglobeへの比重の軽さを見て非難するばかりでした。このときの彼の自己紹介が、ヨシキファン、Xファンにどれだけ精神的なダメージを与えたのかに、私はヨシキファンサイトを巡ってみるまで気付けなかった。
 Say Anythingのトランスミックスが流れたときも、私は反射的に、単純に「カッコイイ!これもアリかも!」と思っただけで、その曲をglobeがカバーすることに関してどれだけヨシキファンが困惑を感じているかには、なかなか気付けなかった。globeの曲にヨシキの手が加わることには、こんなにまで拒否反応を示しているのに。
 私は所詮globeファンの視点からしかものを評価することができないし、言われるまでヨシキファンの視点には気付けないんだな、と痛感しました。
 単に私が鈍感なだけかもしれませんが、他の人たち(globeファンもヨシキファンも)も多かれ少なかれそうなんじゃないでしょうか。
 それが悪いことなのかどうなのかは・・・・よく分かりません。当然のことかもしれません。仕方のないことなのかもしれません。でも、ヨシキファンとglobeファンがしばらくの間でも共存(?)していかなければならないこの先、どちらのファンも自覚していなければならないことだと思ったのです。
 それぞれ自分の愛したミュージシャンが世界でいちばんだと思う。それは当たり前のことでしょう。けれど、それ以外のミュージシャンの価値を認めないというのはいかがか。贔屓目は仕方ないが、偏見はどうか。「ヨシキなんて」、「ビジュアル系なんて」、そして「globeなんて」、「小室なんて」・・・そんな言葉を、この五日間あまりにも見すぎた気がします。

 また、ひとつには、「どうしてこの時期に」という気持ちもあります。
 モーニング娘。のメンバー増員・減員が人気を博し、その影響なのか最近どのバンドやユニットでもメンバーの増減や入れ替えが流行っているように思えます。
 一人抜けたDREAMS COME TRUE、ELT、MY LITTLE LOVER(全てglobeと同じ「女性ボーカルと男性二人」のユニットであることも不吉に感じます)、一人脱退して六人(!)増員したdream、そして一人休業(正式脱退だったかもしれません。ごめんなさい、定かではありません)して一人増員したMAX。
 特に、dreamとMAXはglobeと同じavex所属のアーティストです。dream、MAX、そしてglobeと、この三つのグループの脱退・加入劇は、全てここ数ヶ月のうちに矢継ぎ早に行われました。
 dreamは正直なところよく分かりませんが、MAXはどちらかと言えば好きなアーティストですし、それだけにメンバー入れ替えのニュースには驚きました。ファンの人たちはショックだろうな、とも思いました。真逆それが自分たちの身に降りかかろうとは想像もしませんでしたが・・・。
 正直に言って、この三つのうちどのグループも、現在売り上げが好調なわけではありません。そして、六人という多すぎるメンバー増員を行ったdream、何年も活動を続けてきたはずなのにいきなりに増員をすることになって世間を驚かせたMAXとglobe・・・・これらを合わせて考えると、どう見てもレコード会社の方針が介入しているとしか思えません。
 要は、人気の低迷しているグループへのテコ入れです。
 avexの売り上げは、全盛期に比べてどんどん落ちてきています。特に一社だけCCCDを導入したことのダメージは大きかったのか、今日のニュースでは上場以来はじめて赤字決算に転落したと報じられていました。
 今までトップを独走し続けてきたavexは今、元の地位を取り戻そうと必死なのではないでしょうか。
 その結果、既にあまり売り上げの期待できなくなったアーティストたちを、一時の話題作りのために切り売りし始めたと・・・・そう邪推されても仕方がないと思うのです。
 確かに、現在globeの売り上げはよくありません。デビュー時に比べたら十分の一以下でしょう。普通のアーティストならここまで自由な活動はやらせてもらえず、とうの昔に契約を切られていたかもしれません。
 しかし、avexに大きな恩のある小室の率いるglobeが、独自レーベルまで持っているglobeが、avexの一時的な方針に逆らえなかったこことが悔しいのです。流行りのやり方に抵抗して、多少売れなくても自分たちの方針を貫いてもらいたかった。
 それが通らなかったことにも、大きくショックを感じています。

 三人では、ダメだったのか。三人でやっていくことは、もうできなくなったのか。
 売り上げ、アイディア、しがらみ、意欲や熱意、人間関係・・・・それらもきっと、今回の加入劇の舞台裏にはあったのではないでしょうか。純粋に、ただ純粋にプラス思考だけで加入が決まったとは、私には思えないのです。


 avexのサイトで、a+nationでの四人の映像をフルで見ました。
 見慣れたglobeロゴが、だんだんと変化して新しい四つ割れのロゴに変わっていってしまうグラフィックに、鳥肌が立つほどの嫌悪を感じました。あの感情は、もしかしたら恐怖に近かったのかもしれません。
 私の愛したglobeは、もういなくなった。今このディスプレイに映っているのは、私の知らない、どこかの、グループだ。
 globeは、もう、どこにもいなくなってしまった。
 痛烈に、打ちのめされるように、そう思いました。・・・・その時は。


 当分の間、私は「真性globe」という言葉は使えません。「新生」ならまだしも、「真性」となると、今のglobeこそが正しくて今までのglobeは「真」ではなかった!というようなニュアンスがそこはかとなく感じられてしまって(私には、ですよ)、抵抗があります。
 「旧globe」という言葉は、ハッキリ申し上げて、嫌いです。たくさんの方が目にするインターネット上で「嫌い」という言葉をハッキリ書くことはあまりよくないとは思うのですが・・・この言葉だけは(今は)受け入れられません。ごめんなさい。今までのglobeを否定するような言葉に見えて、少なくとも今の私は、使いたくはないのです。
 しばらくの間、私が自分の中で彼の加入にしっかりと納得がいくようになるまでは、意識的に「三人のglobe」と「globe+ヨシキ」、もしくは(ギリギリに妥協して)「四人のglobe」という言い方をしていこうかな、と思います。思いますが、勿論これはうちのサイトを訪れてくださっているみなさんに強要するものではありません。みなさんがどの言葉を使われようと、私は気にはしません。ただ私が使うか使わないかの問題ですから。

 ただ、ここを訪れてくださるglobeファン、ヨシキファン、ヨシキが加入した現在のglobeのファンの方々、お願いですから、「認めろ!」と声高におっしゃらないでいただきたいのです。
 もちろん、「私は賛成です!」とか、「楽しみです!」とか言っていただくのは全然構いません。「早く認められるといいね!」とか、そういうお言葉も一向に構いません。そうでなかったら賛成派の方々との会話が成立しませんからね。
 ただ一つだけ、今の私に「ヨシキの加入したことを認めて今のglobeを好きになれ!」とか、「どうして認められないの!?」、「認めなければファンを止めろ!」というようなことを強要するようなお言葉だけは、避けていただきたいと思うのです(これらの言葉は、実際にglobeのファンサイトで加入に納得できないという意見に対して書かれていた言葉です)。
 他人にご自分の考えを押し付けるような方は、ほとんどいらっしゃらないとは思いますが・・・・この一週間ばかりの間にさまざまな掲示板で賛成派と反対派の対立を見てきた身としては、反対であると書くだけでも怯えるような気持ちで一杯なのです。
 もう一度申し上げます、みなさんの意見を書いていただくのは一向に一向に構いません。この文章に対する批判も批評もしてくださって勿論結構です。ただ、「こうあるべき!」「こうするのが当然!」という大上段に構えたお言葉だけは、それだけはご勘弁くださるようお願いします。
 身勝手な管理人で本当にすみません。私も、自分の気持ちをみなさんに強要しないよう、気をつけて文章を書いていきたいと思います。

 いつの日か私も、ヨシキさんをglobeの一員として素直に迎えられる日が来るのでしょうか。
 そして、アジアやヨーロッパ、アメリカを舞台に堂々と四人で演奏するglobeを見て、若い人たちが、「どうして昔のglobeのアルバムには、三人しか映っていないの?」と不思議に思う日が来るのでしょうか・・・・。
 その日が来てほしいような、永久に来ないままでいてほしいような・・・・今は複雑な気持ちで一杯です。



×××





 ・・・・・さて気を取り直して。
 globeとヨシキのタッグに、何も期待していないわけでは勿論ありません。元々globe VS Yoshikiには大いに期待していたのですからね。
 というわけで、これからの彼らに望むこと、期待すること、加入するからには是非ともやってもらいたいことを、箇条書きで並べてみました。

1、 ビジュアルの強化。
 いきなりコレか!?という感じですが。これは本当に期待です。ワイドショーでスモークの中から登場してくる四人を見て、avex globeにアップされたアー写を見て、「うぉぉぉぉーー!!カッケぇぇーー!!(萌)」と興奮したのは紛れもない事実ですから。
 ヨシキと言えばX。Xと言えば「元祖ビジュアル系」。一方小室率いるTMは、「ビジュアル系よりももっとビジュアル系」(cTK HOT DAYS)。99年には雑誌インタビューで『小室「僕たち、ルックス的にも、かなりイケてるよねぇ(笑)?」マーク「これからはビジュアル系としても頑張りますか」(ビッグコミックスピリッツ)』とかなんとか言ったこともありますし。
 やれ!小室!ていうか、やらせろ、ヨシキ!薔薇でも背負え!百合でも銜えろ!一度はピアノに薔薇を降らせたこともある小室だ、やってできないことはないでしょう。ケイコちゃんにゴスロリ衣装を!小室に濃ゆいメイクを!そしてマークに長い髪を!!!
 頼んだヨシキ。globeの見た目はキミにかかっている。
 ・・・・なんて。別にそこまで極端にやらなくてもいいですが、とにかくビジュアル面をカッチリと作ってほしいですね。最近ナチュラル系だったから(特に男二人)、これを期にメチャクチャ気合の入ったジャケ写とか取ってほしいです。とりあえず、ニューシングルのジャケ写があの覆面、というオチだけは許しません(笑)。
 とにかく、オフィシャルサイトのアー写はかっこよかった。全く誰一人としてカタギの人間には見えない胡散臭さが最高です。六本木の夜、って感じ。凄いインパクト。
 それに伴って、私たちglobeファンも少しビジュコスの勉強をした方がいいのかもしれません(笑)。実は、一度ゴスロリやピンハを着てglobeのコンサに行ってみたかったんですよ。今までは「浮くよなぁ」と思ってたんですが、そのうちそうでもなくなるのかもしれませんね。

2、 ロック色の導入。
 マークは、最近ずっと「ロックがやりたい!」と言っていました。トランスをglobeに持ち込んだのはマークだったはずなんですが(勿論今でもトランス大好き!らしいですが)、久々にロックナンバーも歌いたい!と思っていたようなんですね。
 私もトランスは大好きですが、このままトランス一色でいつまでもやっていくわけにもいかないだろうし、どこかで他の音も発表しなければ、と思っていました。ヨシキはドラマーですしずっとロック畑でやってきた人間ですから、今までのglobeにロックの気質を持ち込んでくれるのはかなり嬉しいです。
 セカンドアルバムのような、もしくはワナビのような、激しく感情を叩きつけるような、きく人を切り裂くような、攻撃的なロックナンバーをもう一度ききたいです。

3、高速ドラム。
 上の方で長々と訴えた内容とは全く矛盾することを言いますが、ライブでのglobeの演奏にヨシキの凄まじい迫力のドラムが加わるのは、興味深くはあります。
 メンタルの問題と、実際の音楽の問題とは、少なくとも私の中では全くの別ものです。ですから、彼らが「出来上がった曲の良し悪しで決めてくれ」と言っても「そういう問題じゃない!」と反論しますし、反対に出来上がったものがどんなに気に入らなくても、何かほんの些細なきっかけで彼らを認めてしまえるかもしれません。
 ですから、「今までのglobeの曲を四人で演奏される」という意味では強烈に抵抗がありますが、「globeのライブに迫力ある生ドラムがフィーチャーされる」と考える(この言い方はヨシキさんを単なる便利なドラムプレーヤーとしか捉えていないのかもしれず、ヨシキさんファンを怒らせてしまう言い方かもしれませんが)と、これは音の問題としてはかなりの期待になります。
 ドンルッバ、とにムショ、ワナビ、そのほかセカンドアルバムのような攻撃的なロック色の強い曲たちに、彼の本格的な生ドラムが加わったらどんなにかっこいいだろう。
 ヨシキさんはトランスにドラムを融合させたいらしいから、genesis of nextやFREEDOMのリミックスで思う存分に叩きまくってもらったらどんなに刺激的だろう。メニクラリミックスのあのトライバルなリズムをもっともっとフィーチャーしたら、どれだけ熱狂できるだろう。
 そんな期待はあります。彼らのライブ演奏を楽しみにしている部分も、私の中には確実にあるのです。だから余計に複雑なのですが・・・・。

4、マークの進化。
 2、で書いたロックの導入とも一部かぶるのですが、全体的な曲のカラーの問題とは別に、マーク個人のカラーについても期待したいことがあります。
 最近のマークのラップは、どちらかというと大人しい感じの囁き系が多かったですよね。旋律を歌うというより、語る感じが多かった。初期のような高いキィでシャウトする系統の曲はほとんどありません。ヨシキとマークはかなり意気投合しているようですが、ヨシキのロックの気骨にマークが感化されて、もっともっと攻撃的で激しいシャウトもきけるようになることを期待しています(もっとも、Xの曲にもヨシキが囁き系の語りを入れてる曲ってあるんですってね。V2でも延々語っていましたし)。
 作曲に関しても、今までずっと小室の作曲法ばかり見てきたマークが他の作曲家と触れ合うことで刺激を受け、自分自身の作曲を進化させられるといいな、と思っています。
 また、マークの書く暗くて救いのないイメージの詩に、ヨシキの退廃的な世界観はすごく似合うと思うのです。「マーク作詞・ヨシキ作曲」というコンビだと、多分ケイコちゃんも小室も入れないほどの耽美ワールド(笑)が展開されるような気がしてかなり楽しみです。ヨシキがグランドピアノを弾いて、マークがその横でフレンチラップ・・・一体何のコンサートなんだ。絵になりすぎて怖い。

5、暴れる2トップ。
 ヨシキと言えば高速ドラム、ヨシキと言えばドラム燃やし。小室と言えばKX-5、小室と言えばショルキー破壊。最近歳を取ったせいか、globeでのショルキー壊しは98年以降見られていない小室ですが、ヨシキがガンガン壊してくれれば小室だって黙っちゃいないでしょう。昔取った木根ヅカで暴れまくってほしいです。
 ヨシキは「マークにドラム壊すの手伝ってもらおうかな(笑)」と言っていてたそうですが、3、で書いたようにマークがどんどんヨシキのロック気質に影響されていけば、しまいにはとんでもないステージになりますね。ブルブル(恐)。でもワクワクです。こっちもヘドバンの練習をしておかなければ。

6、世界進出へ。
 正直な話、ネームバリューが増すのは嬉しいことです。アジアでは未だに小室も人気らしいですが、ヨシキの、というよりもXの人気もかなり熱狂的らしいですから、これを利用しあえるのは双方に得な話だと思います。
 どちらもアメリカ進出を狙い続けてはくすぶっている同士(苦笑)なので、これを期に両方の名前を派手に売り込んでしまえば、後日ヨシキが脱退したとしても、両方とも「アジアツアーを果たした」という肩書きは残るわけですからね。
 それに、ライバル同士がくっついたら、その分敵は一つ少なくなりますものね(泥臭いな私)。
 こういう話を書くと眉を顰める方もいらっしゃるかな、とは思うんですが(特にヨシキファンの方は、ヨシキを売り上げアップに利用するな、とお怒りになるかもしれませんね)、売り上げが落ちる一方だったglobeと日本での新規ファン獲得が難しい状況のヨシキとのタッグなのですから、両方とも相手の利用できるところを最大限に利用しあって、どちらの得にもなるようにしていってほしいのです。日本国内でも、海外でも。
 やるからには売れてほしいです。正直に言って。

 ・・・・と、これからの四人がやろうとしていることにワクワクしていないわけでは、決してありません。
 まだまだ気持ちの整理がつけられていない私ですが、とりあえず、しばらくの間は彼らをじっと見守っていようと思います。
 「ファンを止める止めないは音をきいてからにしようよ!」というのも賛成派の方がよく言われる言葉ですが、私は今回のことは「音」以前のレベル、globeの「存在」自体のレベルの問題だと思っているので、音をきいても安心できないかもしれません。ツアーを見ても安心できないかもしれません。いつまで経っても、「やっぱりglobeは三人の方が・・・」云々とどこかで思い続けているかもしれません。反対に、明日出すかもしれない彼らのたった一言のコメントで、もしかしたらあっさりと納得してしまうのかもしれません。それは分かりません。
 それでも、それでも私は彼らを見ていようと思います。小室哲哉、マーク・パンサー、ケイコ・・・そしてヨシキのしようとしていることを、これからしてゆくことを、しっかりとこの目と耳で見届け、きき届けていきたいと思っています。

2002/09/06 5:22
2002/09/06 23:02
那々。